006 Eternal Flame

12月―

毎年恒例のクリスマスシーズン到来だ。街は華やかに彩られ、恋人たちが道という道を闊歩している。並び立つ店々が鮮やかにライトアップされているここ地元の商店街を僕は友達のヒロシと一緒に歩いていた。

ヒロシ「なんかこの時期にお前と2人ここを歩くってのも寂しいな」

僕「別にいつも通るだろここ」

ヒロシ「まあな・・」

僕「・・・・」

すると一軒の店先からTHE BANGLESの「Eternal Flame」が流れているのが耳に入ってきた。

僕「あ・・・」

ヒロシ「なに?」

僕「この曲・・・・」

僕がBANGLESを知ったのはつい一昨年のことだった。80年代に売れた全員化粧ケバケバの女性4人組のバンドである。一昨年もクリスマスシーズンに街の至る所でこの曲が流れていた気がする。

僕「この曲いいな、今流れてるこれ」

奈央「バングルスだね、メロディが切なくていいよねこれ」

僕「え、なに?バングルスっていうの?いいなこれ後でレンタルしようかな、で何か映画借りて奈央んち行こ」

奈央「うーん、そうね、そうしよっか」

僕は当時奈央という女の子と付き合っていた。12月で付き合って丁度半年というところであった。彼女は僕の1コ下でそういう特権を生かされよくショッピングに付き合わされた。僕は自称ロマンチストでかっこつけ屋なのでクリスマスなどには彼女に内緒でちょっとしたプレゼントをあげた。そのときは水晶のネックレスとブリトニー・スピアーズのCDをプレゼントした。そういう僕のささやかなサプライズに彼女は喜び、僕もまたその笑顔を見て喜んだ。彼女はよく笑う娘だった。僕らはよく一緒に食事をしたが食事中僕の話を聞いてははしゃいでいた彼女の陽気な姿が今でも目に浮かぶ。だがそんな思い出も今となってはただの幻に成り果てたのかもしれない。12月のその頃から僕は予感していた。彼女との別れを。彼女はもういない。僕の元から去っていってしまった。愛だけを残して。

空を見上げると建物の隙間から星空が広がっている。雑踏から見上げる小宇宙に僕は感傷を覚えた。ふと僕の手に一粒の粉雪が触れた。しかしその後雪が降ることはなかった。僕の手に舞い降りた一粒だけの粉雪、これはきっと彼女だ。天国から僕へのプレゼントに違いない。彼女からの愛のメッセージを受け取り、僕の頬を涙が伝った。僕の脳裏に彼女の笑顔が蘇った。

ヒロシ「バングルスねー」

僕「・・ああ」

ヒロシ「どうでもいいけど、お前フラれた女死んだ事にする癖いい加減やめたら」

♪Close your eyes
Give me your hand, darlin'
Do you feel my heart beating
Do you understand
Do you feel the same
Am I only dreaming
Is this burning an eternal flame....

出演

僕(作者)

ヒロシ(友情出演)

奈央(60分3000円)

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